超懐かしい







HIDE&SEEK










「ってなワケでや、かくれんぼしょーやかくれんぼ」



はい意味不明。一回地獄逝けよ



「……いやいやどんな訳やとか言うてえや」



「やだよ疲れるもん」



「…(聞くのイヤだけど)どんな訳だよ侑士」



「よお聞いたで岳人!童心に返ると共に洞察力が付くやん、ええことぎょーさんあんで」



「(やっぱ聞くんじゃなかった)」



「しょーーーもな…アホかお前は、ただ遊びたいだけでしょ」



「いやん俺を馬鹿にする時だけ関西弁使うの止めてぇや!ええやんかちょっとくらいやってくれたかて!レギュラー全員でやったら楽しいで絶対!」



「あー…るっさいるっさい……え?レギュラーで?



「…そうや?まぁマネのもやけどな」





レギュラー共を捕まえる…?




な…なんて面白可笑しい企画!この(いっつもこき使われて馬鹿にされまくってる)私が一時でもレギュラーに恐れ戦かれる存在となるのね!?




気分良いことこの上なし!絶対やりたい!(※鬼を)





「…何?もしかしてやる気なったん?」



「なった!超なった!賛成!金払ってでもやりたいね!(100円までなら!)」



「(そこまでお前を駆り立てるもんは何なんや…)そうか…ほなレギュラー呼んでやってみよか」














「くっだらねぇ」





言うと思ったよ





「なんで俺様がそんなガキくさい遊びしなきゃならねぇんだ?あぁん?」



「そう言わんと…俺かてちょっとくらい遊びたいねん」



「てめーはいつも遊んでんだろ」



「…そうよね〜跡部はやったこと無いよね〜?っていうか寧ろ…知らない?



「あぁ!!??」



「そっかー天下の跡部様にも知らないことがあったか〜、知らないゲームで負けるの…イヤだもんねぇ?」



「………よくもそこまで好き勝手言いやがったな…!やってやる!これで文句はねぇだろーが!」



「げっ!マジかよ跡部!…お前…それなりにマトモなヤツだと思ってたのに」



「諦めましょう宍戸さん」



「俺隠れるの得意だぜー!」



「かくれんぼ!?マジマジすっげー楽しそー!」



「…俺も参加ですか」



「…やり…ます」





跡部を落としちまえばこっちのモンよ…ちょろいわ




さぁこの万年ジャンケン負け続け女という(超不名誉な)称号を得た私にかかってきなさい!鬼の座は私のもの!!











「ほな鬼は跡部で決まりやな」



「ちっ…絶対全員捕まえてやるからな」



「……………………」





何で




何でこんな時に限って一番勝ちするの私




あぁこの二本の指が憎い…!これ引っ込めときゃ一発負けだったのに……!!




呆然と自分の手を見つめる





?鬼じゃないのに何でそんなに落ち込んでるんだお前」



…自分の底なしの運の悪さを嘆いてるの



「なぁなぁ折角跡部が鬼になったんやしな、追加ルールっちゅーんもええんとちゃう?」



「…へ?何を追加すんの?」



「鬼ごっこや、鬼ごっこ。かくれんぼ鬼ごっこてやったことあらへん?」



「あるよ、見つけた後鬼が追っ掛けて相手を捕まえるまでは『見つけた』って事にはならないんだよね」



「そうやまさにそれや!足腰強化にも丁度ええやろ!!」



「へぇ〜、ただのかくれんぼじゃないのか。面白そうじゃん」



「ほお、俺様から逃げ切る自信があるってこったな?いい度胸じゃねぇか」



「あったりまえだろ!跡部、俺より足遅いクセに捕まえた気でいるんじゃねーよ」



「おいおいお前らまだ熱くなったらあかんで、俺もう一つ追加ルール考えてん」



「「「「「「「「何(ですか)?」」」」」」」」

















「…史上最強にドキドキハラハラするなぁこのかくれんぼ…」





誰かさんが余計なルールを追加しやがった所為で野望を果たすどころかこっちが恐れ戦いてしまっている状況に




ヤツがもう一つ追加したルールは




『“鬼”が捕まえた“子”は仲間にしてOK』というもの




……つまり跡部だけに見つからなけりゃいいって事じゃなく、全ての人を疑ってかからなきゃいけない




…疑心暗鬼




しかも鬼が全員捕まえたご褒美が『一週間私を好きに使って良し(BY跡部)』って何だオイいい加減切れるぞマジで





何で私の意志が無視されて更にその保有権が跡部にあるんだよ思いっきり納得いかねぇよ




っていうかそれで良いっていうメンバーもメンバーだろ、私は奴等の何だ、アレか、奴隷か




しかもよくよく考えてくれ、私が捕まってしまえば鬼になった人数分だけ言うこと聞かなきゃならない




最悪の場合8週間皆のいいなりになる




死んでもゴメンだ




ちなみに逃げ切った私以外の“子”には跡部が一週間昼飯を奢るらしい




このルールによって「飯より奴隷がいた方が楽しいじゃん」とかいうヤバイヤツは多分鬼に寝返って私を捕まえにかかる




がしかし忍足や宍戸辺りは寝返らないと信用しても大丈夫かと思われる(絶対昼飯を喜ぶ)




何か私にだけ的が絞られたかくれんぼのような気がするぞ、クソ、お前らが警察に捕まれよこの年齢詐称者共め




しかしそのリスクを背負うかわりに私にもちゃんと報酬がある、私が勝ってそれを免除されるだけじゃ割に合わない




っていうか最初そのルールでスタートしようとしやがったからパイルドライバーをかましてやった




私が逃げ切れた場合のご褒美は『鬼になった者一名につき一日こき使って宜しい』というもの




これがある為逃げるの面倒くさいから鬼になるってヤツも出なくて一石二鳥、鬼で勝つか子で勝つか、だ




最早鬼になるという野望が断たれた今、これに望みをかけるしかない(一日って時点で既にフェアじゃない気もするが)




絶対にいつもと逆の立場でこき使ってやるからな、覚悟しろ(特に跡部)




…さぁその為には場所考えなきゃ…見つかりにくくてすぐ逃げられる…何処だ?




木の上…とかやっぱ駄目かな、でも岳人探してる時に普通に調べられそうだな…あ、往生もするから無理か




えーと範囲は…氷帝学園中等部校舎内&属する校庭(裏庭など)…校舎内は開いてる教室のみで中から鍵を閉めるのは禁止




だったな確か





「……何処行こう…もう皆見えないなぁ…私は適当に室内でいいか」





跡部が出発するまでにはまだ少し時間があるので校内をうろつきながら教室を見渡す




……ここにしようかな、見つかりにくそうだし机いっぱいあるから逃げ道も確保しやすそう




辺りに人がいないことを確認してそっと中に入った(開いてた!)




目撃されてたらきっと聞き込みされた跡部ファンの女が跡部に協力するために私を売るだろうし




視聴覚室




前からパッと見るだけじゃ全然分からないもんね、よしよし我ながら名案☆




後ろの方の机の下に身を丸めて隠れる




……そろそろスタートした頃かな…う…ドキドキしてきたぞ…!見つかりませんように!!














何もすることが無いので机の下でぼーっとしていると廊下の方から足音が聞こえた




…ま…まさか跡部?結構早い…っていうか私もしや読まれてるのか??





…カッ…カツン――――ガラッ





ぎゃー入ってきた!何だこの迷いの無さは!絶対誰かが告げ口したんだ私がここに隠れたこと!畜生恨む!!




こっちくんなこっちくんな…うわー何かうろうろしてる気配が!完璧人違いじゃないよ誰かを探してる感じだYO!




だ……誰かヤツの気を引いてくれ…!そしたら逃げられる!




イヤ待てちょっと待て、そうだ見つかって終わりじゃない、まだ近くにいない今なら逃げられるじゃん




幸いドアまでの距離はそんなにないし…行くかな




縮こまりながら考えていると足音もしなくなった…よしチャンス!




がばっと顔を上げた瞬間見えたもの









…いや私のでなく目の前に






終わった






「見〜っけ!…って感じか?」



「いやもう何アンタ私のことだけ狙ってきたなこの野郎ナルシストがぁ!くっそ絶対逃げ切ってやるへへんだ捕まえてみやがれひゃっほぅ!



「うわちょお待ちって!何がひゃっほぅや!」



「待てと言われて待つヤツがあるか馬鹿め!私が貴様をこき使って……って忍足じゃんか」



「そうや忍足侑士君や」



「そうだね忍足侑士君だね、帰れ



「…俺一瞬で撃沈やな、何でココにおんの分かったんとか訊けへんの?」



「…あぁそれもそうだね、何で分かったの」



「……への愛故に…?」



「死ね」





遠い目をして言ったので寒気を感じてザラキ(ByDQ)を唱えておいた





「ひ…酷い…そんな怒らんとってぇや、お前の考えてることなんかお見通しやっちゅーハナシや」



「…さようで…え?何?敵なのアンタ」



「ちゃうちゃう、俺かてお前こき使うより昼飯のがええもん」



「何か引っかかるけどまぁいいわ、じゃあ制限時間いっぱい逃げ切らないとね。出てけ



「…ツンドラ気候やな…もうちょい話さして、暇やし」



(自分で言い出しといて暇…)いいけど…もし跡部とかが入ってきたらすぐ見つかるじゃん、隠れてよ」





堂々と立ってられるとこっちが困る、巻き添えはゴメンだ




…でも忍足が見つかってすぐ逃げてくれればきっともう一人いるとは疑われないよね…じゃあ別にいいか




そう言おうとするとすでに屈み始めている忍足





「それもそやな、ほな隠れるわ」





言いながら私の隣に座る




っておいこら!!





「…狭いよ忍足」



「元々狭かったやん、今更とちゃうか?」



「…2人用の机な上てめぇの図体は普通よりもデカいんだよ…そんでこんな密着アレだし」



「え?緊張するてか?も可愛いy「いや激烈に暑苦しい」



「…さよか」








それにしても今どれくらい捕まったのかな、まだ誰も見つかってなかったら跡部焦ってるだろうな




もしかするとその辺で樺地とか探してるかもしれない、あいつが地道な作業してるかと思うと笑えて仕方ない




…半泣きとかになってたり…!?あぁあかんホント笑える!でもここで笑ったらただの変人だ私!




そんな考えを巡らしていると急に忍足が口を開いた





「俺ホンマは鬼やりたかってん」



「…はぁ?嘘、何で?」



「あのな、を見つけ出して「待て〜v」ってやりたかった」



「きもちわる」



「……なぁ俺そろそろ泣いてええ?



「ばっかねぇアンタ…そんなのこのルールでやったら…



ふははははは待てやーーーー!!!』


『誰が待つかこのアホんだらがー!悔しかったら捕まえてみんかいだっしゃらぁー!


『俺から逃げ切れると思てんのか!』


『私の自由は私のもの!自由万歳!コレでも食らえ!秘技パンパンしてない黒板消し投げ!


『ぎゃー眼鏡が真っ白にーー!



…とこういうやりとりが走りながら繰り広げられるかと考えられますね」



「俺の扱いあんまりとちゃうか、なぁ気のせいか?お前実は俺の事泣かしたいんか、実はそやろ、怒らんから言うてみホンマ



気のせいNe☆…私だって鬼やりたかったんだから…ここにいるのは良いけどじっとしててよね」



「まぁ…俺ももひとつやらなアカンことあったし、そっちの方は実現できたからええか」



「…って何その意味深な発言は、そこまで言ったからには教えてくれんのよね?」



「…ん?ええよ、教えたるからもうちょいこっち来ぃ」





そう言って私の肩を抱き寄せて耳に唇を寄せ、囁く(来てとか言う前に強制的にしてるじゃないか)





「お前と二人っきりになってこうしたかった、て言うたらどうする?」



「!!!!?」



「秘密の逢瀬や、あー艶っぽて敵わんな」



「なっ…なっ…なっ…なん…っ///!!?」



「お、何やねん、イヤとちゃうんかいな?」



「い…イヤじゃ…イヤじゃないけど…!!」



「ほんならええねん、な、俺のことごっつ分かってるやろ?一発で隠れてる場所当てたしな」





無邪気に笑う忍足は




そう、私の好きな人で




私も




あぁ、前から好きだったよ。忍足





「なぁ…からは返事聞かせてくれへんのか?」



「こ…子犬のような目で見るな!(気持ち悪いなもう!)





アイ●ルのチワワも真っ青な顔に頭痛を覚えた丁度その時






ガラッ






「…やっば…今度こそ絶対来たよ…つ…捕まるかなやっぱ」



「…ほな、返事はお前を逃がしきった時のご褒美に取っといてもらおか」





そして立ち上がる寸前に私の唇にそっと人差し指で触れながら不敵に笑って言う







「…俺がお前を誰の奴隷にもさせへんで……絶対逃がしたるからな」








「……おぉ跡部!どこ探してんねん?そっちとちゃうで!!ほれ捕まえてみぃ!」



「…っ!テメっ忍足!!岳人!廊下の方行ったぞ!!!」



「げっ!何や岳人もう捕まってたんかい!?」



「よっしゃ侑士!絶対捕まえてやんぜ!!」



「逃がすな岳人!」









静かになった視聴覚室で机の下に座り込みながら口に手を当てて赤い顔のまま呟く





「…は…反則だっつの……!!」





忍足




もしもほんとにアンタが私のこと逃がしきってくれたなら




ちゃんと言うからね




あなたが好きですって




だから




どうか私の好きなあの人が捕まりませんように




















彼女になった私が忍足の家に行ってラブロマンス映画を観るようになって




当の彼氏は俳優が言った歯の浮くような格好良い台詞を言わせてくれと度々私にせがんでくるようになるのは




それから間もない話



















******あとがき******

…ええと…何ていうかオチてなくてスイマセン、イヤほんとスイマセン、っていうか謝り所多すぎてスイマセン

アレですよ実際「きもちわる」っていう台詞を言わせたかったが為に書いちゃったネタなんですよ本当に

…あの…だからオチてなくても気にしな…あ、無理ですかそうですよねスイマセン

そんで書き始めたのは4日前、それだけの為にここまで時間かけたアンタが凄い(爆)

ちなみに題名は忍足アルバムの一曲から、かくれんぼだって知ったのは感想書いた後です、アホです


05/06/27
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