こういう場合大抵は女の子が一人って相場が決まってるモンなのよ
不器用
「だと思うでしょ神尾」
「いや急に振られてもな」
「っていっつもやる事なすこと唐突だよね」
「何かこういう三人って漫画とかでよくある風景じゃないかと思ってね」
「…一人がイケメンであとはオマケみたいって事が?」
「………神尾、そのイケメンって誰のこといってる訳?」
「答えによってはマジで殺すよあんた。っつかイケメンって時点で既に私じゃないしね」
「…オマケって誰?」
「ばっ!ばぁか本気にすんなよ!んな事考えてる訳ねーじゃん!」
「「(絶対本気だった)」」
私は不動峰中学二年のと申します者です☆
特に何があるでもなくこの二人と仲良しです
いやいやマネージャーなんてそんな面倒臭い事してないともさ!(わぁ)
ち・な・み・に・私の興味がある方は深司
こう…なんか放っておけないような感じが?え?変わってる?マジだからマジ
あぁ?神尾?いやだってアイツ馬鹿だし(ひでぇ)
何しろ杏ちゃんがいるじゃないか、例え相手にされていなかろうが!
「よぉし今日も頑張って授業受けるとしますかー」
「何だよ…いつも受けてないみたいな言い方すんなよ」
「…でも神尾いつも寝てるじゃん」
「だよねー」
「俺は色々とあるんだよ!だって人のこといえないだろー!誰だよこの間寝てて起こされた瞬間「ゴメンなさい母さん!」
とか言い出したのは!しかも男の先生に向かって!!」
「あひぃ!い…イタイとこを…その過去は忘れたの!忘却の彼方に追いやったの!!」
「の馬鹿さ加減にはぶっちゃけ笑えないくらいの部分があるよね」
「ぎゃー!態度は悪いけど意外と成績良い子ちゃんが苛める!神尾ヘルプ!」
「ホントのことだろ…あてっ!殴んな!」
「おっとぉ先生が来た様だよ!」
「逃げるなオイ!」
自分の席に戻って教科書を取ろうと机の中に手を伸ばすとカサッと紙の音がした
あれ…可笑しいな……私机の中に紙なんて入れた覚えないんだけど……
取り出してみるとあら不思議
………封筒………
しっかも何だよこの可愛らしい感じの封筒は、私には似合わないのもいいトコだよ
もしかして隣の松岡君(男子クラスメイト)の机に入れようとして間違えたとか…
あり得る…彼は世間一般からすれば格好良い方だからね、モテるらしいし
でも私の机に入れたヤツが悪いんだ、見ちゃえ♪(最悪)
授業中なので音がしないように封筒を開ける
と
確かにそこにはキッチリ書いてあった
『さんへ』という文字が
慌てて読んでみると…こりゃまた可笑しいだろう
ラヴレターだ
正真正銘の
嘘だ
成績普通(いやどっちかっていうと悪い)で顔もスタイルも普通の私が
ラヴレター
なんて
そんな美味しい事あるわけないだろう
大体私深司が好きですしね(重要)
コレは死活問題だよ(どんな)それに相手分かんないし、クラス違うし聞いた事ない名前だよコイツ
ヤバイ
非っ常〜にヤバイ
初ラヴレターなんてどうすりゃいい!?何処かのモテそうな黒子部長なら笑顔で燃やしそうだけど私はんな度胸無い!
とりあえずは放課後この場所に行かなきゃならんだろう、断るにも礼儀として
でももしすんげぇ格好良い人だったらどうしよう(有り得ないけど)
逆に恐ろしいほどのゴリラ顔とかだったらどうしよう(それこそ怖いな)
でも何かかなり気まぐれに出されたりした手紙だったらどうしよう
『君は僕の101番目の彼女にしてあげるよ☆』とか
あぁ…その場で殴り殺すなそいつ
でもこの丁寧な字体からしてそんなに野蛮な人ではなさそうだ
……何にせよ指定時間は放課後、放課後ココに行けば謎は全て解決する
なるようになれ、だ
「なぁ…?おいって!聞いてんのか!!?」
「…え?何?」
「お前ぼーっとしてんなよ…どうしたってんだ?」
「ただでさえボケッとしてるんだからさ…」
「……そうだよね…私なんかのどこが良いんだろう」
「「!?」」
「おいおいおいおい大丈夫か?暑さで頭やられたか?」
「言い返してこないなんていつもの単純なにしてはおかしいよね…あーあ…そんなに俺の話聞くのがいやなのかなぁ…だから無視するんだ…」
「ほらみろ深司がボヤきだしたぞ!!どーしてくれんだよ!!」
「……なるようになるよ」
「な…なる訳ねーだろ!実際ボヤいてんのが見えねぇのかお前は!」
「……………」
その時の私はあまりにぼけーっとしすぎて気が付かなかった
深司が怪訝そうな顔をしていた事に
あぁ…ついに放課後…校舎裏ってのが何とも古くてイヤンな感じだけど行かなきゃどうにもならない
断る。ただそれを目的として
なのに
「さん…来てくれてありがとう」
何かこう謙った感じで言われると言い出しにくい
「……ええっと……どうも」
「きっと来てくれるって思ってたよ」
「さいですか…」
「早速で悪いんだけど…手紙の事…考えてくれた?」
顔はちょっと愁いを帯びてる感じで一般的にはイイのかも知れない…やっぱり出来すぎてるぞオイ
「ええっと…そのことなんだけども…」
「返事は急がなくていいから、ただ…考えてくれればそれで」
「…あ…あのね…ううんと…何て言えばよいやら…」
「僕さんの元気の良いとことか、皆の笑いの中心になってるとことか…好きなんだ」
人に面と向かって好きとか言われるのはこういう気分な訳ね
…何ともいえない恥ずかしさで頭可笑しくなりそうだよ
モテる人はこれが当たり前なんでしょ?鉄の心臓だね正に
「……えっと…何ていうか私には…その…す…」
「…ねぇ、どう?きっと損はさせないから、試しでもいいから付き合ってみない?」
「たたた試し!?そんな恐れ多い!私なんかにはそんな…」
っていうか返事は急いてないって言ったくせに何で急に積極的だコイツ!?
あっという間に距離は詰められて顔が近くに
いやいやいや何してんの私、ココに断りに来たんだよね私
サッと手を握られて「ラブストーリーは突然に」という言葉が頭に浮かんだ瞬間思わず目を瞑った
「イイご身分だよね、こんなトコでいちゃついてさ」
「深司!?」
「…………」
私の後方に居るらしく姿は見えないが確実に深司!今さっきまで考えてた私のラブリー(ちょっと違うが)深司!
その男の子が深司の方を睨む…すると刹那目を見開き私の手を離して走って行った
……何だよ一体
「し…深司…助かった…どうもありがとうございやす…」
「……お前…ホントムカつく」
「……へ?」
何を言われたのか
ムカつく?
いやまぁ自分でムカつかないヤツだと思ったことはないけど
でも深司に言われるとは
ショックMAX…
「…何で勝手にどっか行くかな…そうだよね、俺に言っても仕方ないもんね」
「はい?」
「…断るならそう言ってくれれば付いて来たのにさ…どうせ俺なんか頼りにならないと思ってるんだろ」
「し…深司?」
「…何しててもお前が気になって……こんなの格好悪くて…もっとムカつく」
どうやら深司は怒ってるわけじゃないらしい
いや寧ろ…?
「俺のボヤきを相槌打って聞いてくれるのってだけなんだよね…なのにあんなヤツに奪われたらたまったもんじゃないし」
「…あの…深司…助けてくれたんだよね?」
これはきっとチャンスだ!えーい言え!言っちまえ私!
「何?俺はただ…」
「…わ…私ね…!深司の事好きだよ!」
すると今までずっと下を向いてた深司が驚いた表情で顔を上げる
…深司の照れた顔なんて初めて見ちゃったよ…
溜息と同時に肩の力が抜けたように座り込んでしまった
「深司!?だ…大丈夫!?」
「…ッ……」
「どうしたの!?具合悪いの!?死にそう!?死なない!!?」
「五月蝿い…死ぬわけないし……ただは…神尾の事好きなのかと思ってた」
「神尾!?何であの馬鹿なの」
「馬鹿同士だし…良く喋ってるし…何となく」
「(失礼な)筋肉のきしみは見える(らしい)くせに変なトコ鈍いねアンタ」
「には言われたくない…だいたい鈍いっての事だろ…人が心配してやってるのに知らん振りしてこんな場所にのこのこ来るし…」
「返す言葉もございませんです…(土下座)」
「……俺が心配してやんのはだけなんだからね…分かってんの…?」
うっわ
幸せ過ぎる…
おうとも!もう二度とこんなトコ来るもんかい!
愛する(←グレードアップ)深司に心配なんてかけさせやしねぇ!
「ありがとう深司」
「ん…」
とりあえず抱きついておいた
ココに全ての喜び凝縮してやるさ!子供っぽいけど気にしないで!(します)
「…………こんな可愛いことしてくるんだもんな…狙ってるとしか思えない…ずるいよな全く」
「え?何か言った?」
「何も」
深司って感情表に出さないようなタイプだもんね、私が愛情表現しまくらなきゃ!
とか抱きつきながら思ってたんだけど
この時はまだ知らなかった
彼が逃げて行ったのは深司が鬼も裸足で逃げ出すようなスゴイ顔で睨んだからだったという事を
次の日神尾が私達が付き合い出した知らせを聞いて大爆笑してきやがったので深司と一緒に締めた
仲良き事は美しきかな!
******あとがき******
…伊武です伊武です伊武です伊武です(黙れ)アンケで来てたので…
連載ではかなりサブなキャラになってましたが、まさかメインにするとこんなにも難しいキャラだとは…
終わり方がだいぶ中途半端(克意味不明)ですいません…(本当に)…口調が越前と被ってる気がしてやばかったです
何か伊武って彼女にも冷たいと思うんです、でもいざという時は驚くほど彼女を大切にしそうなんです
そんな伊武は好きです。ただ私は伊武のぼやき聞いたら一日で音を上げる自信が有ります
05/04/12