だから金持ちはイヤなのよね









お好み焼き狂奏曲










ヒィヤッホぅ!様の勝利〜〜〜っ!!!」



かよ!クソクソ侑士!お前が負けたのが悪い!!



「俺かい!?岳人かて最初に負けたやん!」



「最後まで残ってたのはお前じゃん!」



「まあまあ先輩…それでさんは何処が希望なんですか?」



「当・然!お好み焼き屋!!!



「おぉ!分かってるやんか!!」



「ありがとう忍足v」



「げーーー…俺行ったこと無い」



「っつか食ったことねぇ…」





部活後のレギュラー専用部室でジャンケン大会を開催してた私達




エキサイトしてたけど結果はこの通り私の勝利




何故こんな事をしてたかというと、久しぶりに跡部が奢ってくれるとか言い出したから




希望の店にいけるようにとジャンケン大会が始まったのだった




私がお好み焼き好きなのもあるけど、希望したのにはもっとちゃんとした訳がある




だってこいつ等今までに何処を希望してたと思う?




中学生の部活帰りにも関わらずイタ飯屋フランス料理店




挙句の果てには『跡部様御用達』の豪華客船まで体験しちゃう始末(あの時は涙出そうだったなぁ…)




やってられっか!庶民の私には『向いてない似合わない帰りたい』の逆三拍子揃っちゃってるしね!(最後のは…)




とにかく私は普通の店で普通に部活仲間と飲み食いしたいわけよ!




…まぁ求める相手ってのもあるんだろうけどさ…





「お好み焼き屋だと!?そんな庶民が行くような場所…お前誰が金払うか分かってんだろうな!?」



アンタのお父様ですよね(笑顔)



「…………」



「跡部、観念しぃ。が勝ってんから誰も文句は言われへんて(相変らず痛いトコ突きよるなぁ…)



「さてと忍足ぃ!お勧めのお好み焼き屋教えてプリーズ!」



「俺が決めてええんか?よっしゃ任しとけ!」

















「どれにしよう…豚〜…ミックス…」





おいしそうなソースの匂いが立ち込める店に入った私達は、お店の人に大人数が座れる席を用意して貰った




流石は浪花っ子忍足!お店のチョイス任せて正解だったわ




ちなみに席は私と忍足が真ん中で向かい合わせ(まぁ作り方熟知してるからね)




忍足側には跡部と鳳と樺地。私側にはがっくんと宍戸、ジロちゃん




皆唸りながらメニューを見てるみたい(変な光景だわ…)





「なぁ、チヂミって何だ?」



「えぇ〜がっくんチヂミも知らないの〜?」



「クソクソっ!いいから教えろ!」



「忍足〜お勧めメニューは?」



「聞けよオイ!」



「んん?そやなぁ…豚旨いで。チャーシューいうのもお勧めやし、王道もちチーズもあんねんで」



「わぁ!マジで!?じゃ私食べた事ないからチャーシュ〜v何か他にも欲しいなぁ…何にしようかなー…


あ、ついでにがっくん、チヂミってのは韓国版のキムチお好み焼きみたいなもんよ」



「遅ぇよ!!しかもついでだし!」



「マジマジすっげー!オレお好み焼き初めてだCー!オレこれがいい!」



「ウス…初めて…です」



「俺様もだ…ったく…俺はコレにする」



「俺はこのミックスってのにするぜ」



「宍戸さんもう決めたんですか、じゃあ俺は…」





何だ意外と皆ノリ気じゃない、心配して損したわ




っつーか今日は存分に庶民の素晴らしき食文化を堪能させてあげるから覚悟しなさいよ














「わぁ〜おいしそう!!チャーシューは後でのっけるのね。忍足のは何?」



「せやろ?俺は豚や、ココの豚めっちゃ好きやねん」



「豚かぁ…いいよね〜v」



「やっぱりはよう分かってるわv」



「それで?これをどうするんだよ」



「あぁ?混ぜるに決まってるでしょ!作り方ココに書いてあるからその通りにするの!」



「何!?セルフだと!!?



「当たり前だっつの!シェフにばっか任せてないでたまには自分で作れこのお坊っさま!



「もんじゃ焼きと似てません?あ、でも作り方は違うのか…」



「さぁどんどん焼こう!」











「…宍戸って意外と不器用なのね〜…そんな混ぜ方じゃこぼすよ?」



「うるせぇ…初めてなんだから仕方ねぇだろ…ってお前もう焼いてんのかよ



「よしよし可愛い宍戸君の為に私が一肌脱いで差し上げましょう!貸してみそ?



「こら俺の台詞パクるんじゃねぇ!!」



「ほいほいっと、うらぁ!!」



早っ!そんでやっぱ俺への謝罪は無しかよ!」





見事なフライ返しさばきで宍戸のお好み焼きと、私のお好み焼きを同時にひっくり返す




ソースとマヨネーズをたっぷりかけてカツオ節を振れば完成





「じゃ〜〜〜んv宍戸のお好み焼き完成☆ほらほらカツオ節が踊ってる〜



「ちょぉ…?これ…あの…なぁ??」



「…なんだその形は…」



「そう!ハート型!ふふ〜ん可愛いでしょう?」



「馬鹿っ!じっ自分のでやれよっ///」



「人の(宍戸の)でやるから面白いんでしょうが。ちゃんと全部食べてよね」



「…わぁってるよ…うおっ…うめぇ…!」



「でしょー!私天才的?



丸井君ぽいCー!でもホントそのフライ返しさばき天才的だなぁ!」



「っていうか本当においしいですね、お好み焼きって。俺感動しましたよ」



「さっすが素直な鳳!庶民を舐めちゃ駄目よ跡部!!」



「ちっ…(言い返せねぇ…マジで旨い…)」



「そっれっで!宍戸君にお願いがあるんですけど〜」



「何だよ改まって…」



「それ一口頂戴?」





口を少し開けて宍戸にお願いする




イヤ自覚はしてるよキモイな私って(え)




でも食べたい物は食べたい(迷ったのよ!豚とミックスとチャーシュー!)




我慢は良くないようん(だからって)





「(…///)分かったよ…ほら」



「(ぱく)」



「「「「!!!」」」」

















俺の箸から躊躇無くお好み焼きを食べた




その様子も小動物(に餌付けしてる)みたいでどきっとしたけど





「うわぁ〜vおいしい〜v幸せ…」





いつもみたいな何か企んでるような顔じゃなく




とろけるような笑顔で悦とした言葉を漏らす




何だよコイツめちゃくちゃ可愛いじゃねぇか




と思わず箸を落としそうになった





「宍戸くぅ〜〜〜ん?」



(びく)





が、地獄の底から聞こえてくる様な(キモ)低い声で我に返った





「俺にも一口くれへんかなぁ?それ」



「俺様にも一口よこしな」



「そうですよ宍戸さん!」



「っつーかムカつくぞ!くそくそ宍戸っ!!」



「な!?お前らに借りはねーだろーが!」





最もな事を言うと揃って声を落として俺に耳打ちするほかのメンバー





「…が作ったハート型のお好み焼きなんか二人で分け合って貰ったら俺めっちゃ困んねんけど…?



「(いつも以上に声低っ!怖ぇ!!)」



「それじゃまるでラブラブカップルだろうが…宍戸、レギュラーから外されたいか?



(職権乱用もいいとこだろ!?)



いくら宍戸さんでも容赦しませんよ…?



(素で黒っ!!!)



「作れねぇとか理由作りやがって汚ねぇぞ宍戸!」



「作ってねぇ!!!」




「ねぇねぇジロちゃんもくれない?」



「いいよ〜、のヤツ一口頂戴ね。はい」



「おっけ〜!そんじゃ頂きますv…うっわーおいしー!やっぱもちチーズもおいしーね!はいジロちゃん」



「ありがとー」



「「「「「!!!?」」」」」










お願いだからこいつ等を煽るようなことしないでくれ




ってか俺自身羨ましいと思うけどな確かに




ジローに「あーん」(←本当に言ってた)なんて…




まぁ俺にとばっちりが来る事はないとは思うが…





「宍戸、お前のせいや



レギュラー落ち確実だな



覚悟してくださいね宍戸さん





イヤ来たわ





「ばっか…!早く食わねぇとお好み焼き冷めんぞ!」



「そうそう、でないと私全部食べるよ?



「全部食う気かよ!!?」



「当たり前でしょがっくん、私の胃袋に不可能はない☆全部捨て難いと思ったのばっかだったんだから」





そこは人間的にあってくれと思うぞ俺は





「それはアカンなぁ…ほな食べよか」



「そうだな、焦げても困るし」





とりあえず命は助かった




しなくていいハズの心配をした事にはもう一切ツッコまねぇぞ



















「サンキュー跡部!ごちになりますーー!





こいつ等奢りだと思ってバクバク食いやがって…(っつか何だその台詞は




部活帰りのこの人数にしても有り得ない金額だったぞオイ




俺様じゃなかったら間違いなく破産だな(あーん?オレ様は余裕だぜ?ポケットマネーでも平気に決まってんだろ)





「しっかしお好み焼きマジ旨い!俺かなりハマったかも!」



「でしょでしょ!?やっぱがっくんは庶民と感覚が似てるのよ!



「そうだろ!ってコラそれ馬鹿にしてんじゃねーか!!」



「俺もめっちゃ気に入りましたよ!本当に美味しかったです!」



「オレもオレも!マジうっめーもんな!!」



「俺も来て良かったぜ」



「おいしかった…です」



「喋ってなかったけど樺地も気に入ってくれたのね!ほらほら忍足!お好み焼きの虜はこうして生まれるのよ!!」



「ホンマやなぁ…でもお前ら不味いお好み焼き屋には行ったらアカンで?ホンマおいしないからな」



「…それで?肝心の跡部様はどうなのかしら?」



「…あぁん?」



「あぁん?じゃなくって!今回のお財布ありがとうだけど感想も聞きたいのねこっちとしては。つか言え



「まぁまぁなんじゃねーのか…」



「よっしゃ!跡部様のお墨付き〜!選んで良かった〜〜!!」



店選んだん俺や



「別に旨いとは…!」



「アンタのその反応は旨いって事なのよ!ほらね、庶民の食文化も捨てたモンじゃないでしょ?」



俺の話聞いてへんやろ



「……あぁそうだな…ったく…(コイツには敵わねぇ…)」





そんな話をしながら帰路に着いた俺達に




先頭を歩いていたが向き直り、にっこり笑って言った





「本当に楽しかったぁ…また皆で食べに行きたいね」





その場にいた全員がその笑顔に見とれて




やっぱりコイツに惚れてんだなと再確認した




ふん




お前がそうやって笑うなら




俺様の奢りでもお好み焼き屋でも




何処へでも連れてってやるよ






…本当は皆じゃないほうがいいんだがな
















その後




お好み焼き屋で頻繁に氷帝レギュラーが目撃される事となるのは




また別の話














::::::後書き?::::::

アイターいたたーって感じな代物です

何コレ本当に氷帝逆ハーなんだろうか

この話だけでお好み焼きって何回打っただろうと本気で考えました

もちチーズおいしいです。多分結構王道メニューだと思うんですが

実際お好み焼き屋には友達と一回しか食べに行ったこと無いんでよく知りません。ミックス食いました

作り方の紙があって驚いた…チャーシューってのはネット参考で。いつもは自家製です。おいしいですよ

この話では金持ち設定になってますが、個人的に宍戸は庶民、忍足は貧乏くらいがいいと思ってます

がっくんは中の上って辺りが妥当だと(跡部・ジロ・鳳・樺地・ヒヨは完璧金持ち)

しかし何とも言えない逆ハーだ…何コレ。本当何コレ

ジロが白い…


05/03/15
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