※このお話にはテニスの王子様OVA『風雲少年跡部』のネタバレを含みます。未見の方はご注意下さいませ






















氷帝の中等部って





こんなにご立派だったっけ?何か小学生の時に見たのと雰囲気が違うような…気のせい?」



「何か建物とか増えてねぇ?」



「……いや…気のせいじゃねぇだろ、やたらピカピカしてるな…ここ新築か?」



「まぁじマジスッゲェーーッ!!!」





えーこれ全部?何、私達超歓迎されてるね、すごいね。と冗談交じりに言うと、亮は呆れたようにアホかと返してきた




でも入学早々新館使えるとかツイてるな、俺たち!とやや嬉しそうに岳人が言う



中とかも変わってんのかなー、超楽しみー!!と(今は)ハイテンションな慈郎がはしゃぐ




私達は氷帝学園幼稚舎からの付き合いである仲良し(?)4人組だ、テニスが好きなのも同じ、勉強が若干不得意なのも同じ




今日は中等部に進学する日、つまり入学式なのだ




そんな日に代わり映えのしない面子で揃ってるってのも新鮮味ないけど、やっぱり落ち着くよね




それはさておき、どうやらこれは全て今回中等部に入学してきた新入生が寄付したものらしい(噂で聞いた)





「このレベルの寄付とか……大富豪か…さてはゲイツか何か?ほんの一部で良いからうちにも寄付してくれればいいのに」



ゲイツではねぇ、けど半端じゃねぇよな。氷帝って金持ち多いけどこれは次元が違うな」



「どれぐらいお金掛かんのかな?規模とか半端ねぇC〜」



「親がやってんのかしら…とんでもないあほボンだったら感謝する気にもなれないけど」



「んなこと言っててもしょうがねぇだろ、とっとと会場行くぞ」





亮に促されて、私達は入学式の会場に向かった




のだが





「……あれはないよ」



「…あれはないな」



「初日から頭痛ェ…」



「えー、でも面白かったっしょ〜?」





その入学式にて、おそらくこの学園生活を送る上で一番のインパクトに出会ったといっても過言じゃない




入学式、言わば中学生活の門出なわけだ




そこでの新入生代表の挨拶ってのは、大概成績が一番良かった人物が、先生、先輩、父兄の方々や同級生に




輝かしい中学生活、これからが楽しみです。勉強に部活に誠心誠意励みます、ご指導ご鞭撻ヨロシクお願いしますッ




みたいな




そーゆーある意味テンプレートじみたご立派なことを言うもんなのだ(同級生が同意するかは別として)




しかし、あの瞳がターコイズブルーの新入生は、そのあまりに当たり前な常識を全て覆してしまって




私たちの事をお前ら、自分のことを俺様と呼び、この学園生活を大いに謳歌しやがれ!ふぁーっはっはっは!!!!という




最強に高圧的な演説をかましてくれやがったのだ(ハル●かお前は)




しかもあろう事か第一声が




『俺様がこの学園の王様(キング)だ!!!!』





「…あれが新入生代表って…私達の代表だよ?何を代表してしまったの?俺様って……頭は良さそうなのに馬鹿だねあの人



「リアルで自分の事俺様とか言うヤツ初めて見たぜ」



「意外と引くもんだね、あともうキング発言にはドン引きした



「俺あんだけ自信満々なヤツ初めて見たC〜!ホンット面白ェやつだな〜!!!」



「ったくふざけてやがる…アイツ自分の立場分かってんのかよ。新入生だぜ?あんなに馬鹿堂々と…」



「でもあの寄付したゲイツってあの人だったみたいだね…道理で俺様…そして納得の上から目線」



「うん、とりあえずゲイツじゃねぇからな





私はああいう人物がとかく苦手だ、出来れば人生のうちで係わり合いになりたくない類のヤツだ




しかし人間はどうしてこうもカリスマ的魅力がある人物を求めてしまうんだろうか





「…そういや不思議な事に友達とかに聞いてみたらあの演説直後からすっげぇ人気みたいだよ、えーと……あの、跡部君」



「マジでか」



「らしいよ、揃って跡部様って呼んでる。跡部財閥の御曹司ってのも絡んでるんだろうけど」



「ほんっとに下らねぇ…」









彼は視聴覚室を映画館ばりに改装したり、ジムには最新鋭のトレーニング機器を取り揃えたり




更には学食をレストランに改造したり、今までは無かったらしい温水プールを作ったりもした




流石の財閥権力。最高の環境を整えたと豪語するだけはある




しかも新入生の入部受付開始日に、私達を困惑させる情報が飛び込んできた





「マジかよ!!アイツがテニス部入部希望!!!?」



「あー、まじまじ大マジ。さっき聞いた、一応ホントらしい」



「ねぇよ…あんなのがチームメイトとか…オイ、お前何バイキングでガッツリ取って来てんだ、そして食ってんだ



「ふッ…亮、甘いな。これはバイキングじゃあない、ビュッフェと言うんだよ…?



わーウゼェ…ほだされてんじゃねーよ、伝統あるテニス部までアイツの好き勝手にゃさせねぇぞ俺は」



「だいじょぶだろ、そもそもどっかの大会で跡部なんて名前すら聞いたことねーじゃん?大した実力でもねぇって絶対」



「あ……?そーいやそれもそうか…じゃあ安心か?」



「何にしても静かに食べてよ。…む、そんなもの欲しそうな顔してもこのジュレはやらんぜ」



「いらねーよ…つかお前は何部に入んだ?やっぱ女子テニス部か?」



「考え中〜、テニス好きだけどテニス部面倒臭いもん」





綺麗に光るスプーンをふるふると振ったら、岳人はそう言うと思ったとため息混じりに言った




跡部か…確かに岳人の言うとおり、日本の大会では名前なんて聞いた事無いな、実力なんて無いのかもしれない




でも今年氷帝に入ってきた人だよ、しかも瞳や髪の色からしてハーフかクォーター…その上大財閥の御曹司




海外で活躍してた可能性は否めない…けども亮たちが楽しそうなのでその事には触れないで置こう




まぁでも二人とも、あれだけの肩書きを持ってるのに、それを自慢しないような人が根拠の無い自信なんて持ちはしないよ













放課後、テニス部に入部しに行ったであろう三人(と氷帝名物のアリーナみたいなコート)を見る為にテニスコートに向かった




…何だか騒がしいな。何かあったんだろうか




見てみると、あの跡部君と、テニス部のレギュラーらしき人とが試合をしている




あまりに一方的だ




しかも……あれって…いち、に…5人目か?なのに息一つ乱してない




レギュラー陣の歯ごたえの無さにも多少面食らったが(あれなら多分岳人たちのが上手い)、彼の華麗さには更に驚かされた




見惚れる様な、でも微塵も隙の無いテニスをする。圧倒的だ、力の差は歴然だ、彼に勝てるはずも無い





「………強い、なんてもんじゃないな。怖いくらいに、上手くて、凄い」





あっという間に部長(っぽい人)を倒してしまった。どうやら次は岳人たちとも手合わせするようだ




でも、アレは勝てない。例えあの二人が先輩達より上手くたって、私だってあの二人の実力は把握してる。絶対無理だ





「……二人相手でも怯まないか、さすが。彼にも一つ加える部分があるとすれば…テクニックもスタミナも申し分ないし

瞬発力もある…中学一年としては十分過ぎるし…強いて言うなら……パワーかな。更にパワー加わったら敵わないなぁ」



「自分よぉ見てるやん」





知らぬ間に紡がれていた独り言に反応があった事にギョッとして振り返った





「え、……何すかアンタ



「怪訝そうな顔せんとって、俺も入部希望者やねん、一応。今はちょっと見学に回ってるけど」



「あ……そう」




人の良さそうな、けれどどこか食えないような笑顔を浮かべた、丸眼鏡の関西弁




心の深くでは他人を寄せ付けないような空気を纏っているくせに、妙に人懐っこく声を掛けてくる





「それはそうと自分テニスすんねんな。あんだけ圧倒的に押してんのに、アイツにパワー加わったらて、普通考えつかんで」



「ちょっと…齧る程度に。私は今彼と戦ってる悪友達の様子見に来ただけ、つか強いよねアンタも…テニス」



「忍足や、何でやの急に」



「んー…雰囲気。と話の内容からして何となく…妙に饒舌にテニスの知識ひけらかす様なヤツでもないみたいだし」



「ほー、俺自分のその観察力の鋭さ好きやわ。あと何か人見る目も確かみたいやしな、深ァまでよう見てる」



「そりゃあどーも」





ホントに食えない笑顔を浮かべるヤツだ。こいつと試合なんてしたらいいように踊らされる羽目になりそうだな




やがて岳人と亮を降した跡部君は、どうだと得意げに鼻を鳴らした




完敗だね…やっぱり慈郎は最初から認めてただけあって、つっかかる気もないようだけど(やったとこで負けるだろうし)





「ほな次は俺ともやってもらおか」



「え?何やる気なのアンタ」



「忍足やて。せやかてテニス好きとしたら血ィ騒ぐで。強いやつと戦いたいやろ、ちゅーか俺も一応入部希望者やしな」



「あーん?いいぜ、相手になってやる。……あとお前、そこの女」



「わ、私?」





観客席から声を掛けた忍足君の挑戦をあっさりと受けた跡部君は、隣にいた私に視線を移す




うわー口利いたら凄い威圧感…迫力……





「テメーも後で試合してもらうぜ」



はぁ!?な、何で私が?やだ、絶対嫌だ!!!



「俺様のこと随分勝手に批評してくれてたみたいじゃねぇか、まさか口だけ達者って事ァねぇだろうな」



「…く、口だけって事は無いと思うけど……」





つーか何この地獄耳。何で試合中にあんな普通に喋った事聞こえてんの?馬鹿なの?死ぬの?





「じゃあ決まりだ、安心しな。手加減なんてしねぇ。そこの丸眼鏡との試合が終わるまで待ってやがれ」



「丸眼鏡てオイ…」





何を安心しろと言うのか、手加減しないからってお前……




そもそも私





「……試合って嫌いなんだよねー…」





でも逃げるとうるさそうなので(あと入学早々彼のファンを敵に回すのも嫌だったので)観念して座りなおして




動きやすいようにネクタイを取った忍足君と、嬉々とした表情で汗を拭った跡部君の試合を観戦する事にした




……あーあ、めっちゃ時間掛かって夜とかになれば良いのに……




そんな思惑を知ってか知らずか試合は始まって、跡部君の打球の軌道をしっかり目で追う忍足君を見て呟いた





「……やっぱり忍足君テニス上手いなー」













「つーか来てたんだな…にしても…アイツまじ強すぎだろ。あの丸眼鏡も強ェみたいだけど」



「俺は来てたの気付いてたよ〜」



「俺らは思いっきり試合に集中してたからな……」





まだ日も長くない春、だんだんと空に赤みが差してきた。あいつはかなり強いらしく、試合にもかなりの時間を要している




とは言ってももう跡部の勝ちは決まってるような流れだ。あとはあの関西弁がどれだけ喰らいつけるかってだけか





「あー…夕方か……まだ夕方だけどもうすぐ終わっちゃうね試合」



「うわ、お前後ろにいたのかよ」





先輩や俺たちが集まってる場所のすぐ後ろの観客席からの声が聞こえた




いかにも嫌だやりたくないという空気を醸し出しまくっている





「君、いいんだぞ、無理して彼と試合しなくても。別にテニス部とは関係ないだろう?」



(部長さんか)いや…断ったら断ったで諸々うるさそうなんで…やるだけはやりますけど」





そう話している間に、どうやら跡部と関西弁の試合は終わったらしい。観客から声が上がる。確かにいい試合だったな




ほんとに悔しいけど、アイツは段違いに強い。認めざるを得ないくらいに





「…あー…アカンなやっぱり。まぁ勝てるとは思てへんかったけど」



「おかえり忍足君、善戦してたね。お疲れ様」



「おお、おおきにな…て自分の名前聞いてへんわ、呼ばれへんやん」



「この子はだよ〜。おめぇ忍足ってんだ、おめぇも強ぇな!!俺もいつか試合してぇC〜!!」



「ホンマに?そう言うて貰えると嬉しいわ、これからもよろしくな」





ほわほわと和んだ会話をしている慈郎たちを見遣って、跡部は眉を寄せながら口を開いた





「次は、お前だ。ボサッとするな」



うわ、出たよ地獄耳、聞いてたよ名前。しかも早速呼ばれてる上に呼び捨てだよ」





しょうがないと漏らしながら、は観客席からコートへとひらりと降り立った





「……、見えた(あと多分部長も)」



岳人うるさい、そういう事は心にしまっておくものよ。慈郎短パン貸して、流石にスカートでは出来ないし」



「おっけー」



「あと岳人はラケット貸して、私のやつにテンション一番近いから」



「はいよ」





さっさと短パンに着替えてコートに向かう(…つか俺もさっきチラッと見えた…)




は試合をするのが好きじゃない、俺たちと打ち合ってる時も、試合形式にすると途端に嫌がった




何でも、勝ちとか負けとかそういうのをテニスに持ち込むのがイヤだったらしい




ただ、テニスボールを追い掛けて打ち返すというその行為が好きだと言っていた(変わってるよな)




だから大会にも出たことはない、俺たち以外とも打ち合っているのを見たことは無い




そんなは、決まって試合の前に言う言葉があった





「試合はまぁ(妥協して)いいんだけどさ、3ゲーム先取ってことでOK?」





「跡部相手でもやっぱ3ゲームなんだな、



「みたいだな」






「ああん?」



「私フルで試合した事ないんだよねー、体力ないし、まぁもう夕方だしね、時間短縮ってことで」



「…ふん、まぁいい。とにかくコートに入れ」



「こっちが受けてんのに高圧的な…」





面倒臭そうな足取りで、跡部と反対側のコートについた




ラケットを構えた瞬間、瞳が真剣になる。アイツも一応はテニスプレイヤーだ、嫌だから手を抜くなんてマネはしない











私が試合が好きではない訳は、勝ち負けがあるからってだけではない




言う所の、目立った決め球が無い事。あとはプレイスタイルに特に特徴が無い事が主な理由だ




つまり、勝つテニス、攻めるテニスをしない、まぁ私のスタイルは守るテニスなんだろうけど




ただ、色んな球をひたすら打ち返す。それが気持ち良くて、楽しい。だからテニスが好き、嘘じゃない




しかし私だって人間だ、勝敗なんて持ち込みたくないから気にしないと言いたいが、やっぱ負けとか言われると腹立つ




そうやってテニスを素直に楽しめない自分が嫌いでもあるし、相手が『勝つ事』に固執する試合があまり好きじゃない




とにかく私は、楽しんでわいわい打っていたいのだ





「だってのに何でこんなやたらめったら強い人と試合しなきゃならんのか」





しかも球速半端じゃないな




彼の手元と球の行方をしっかり見極めながら、いつもの如く打ち返していく。強いなーホントに




それにしても負けたら何とかあるのかな…あったらやだな





「ッ!?何だ…お前?」









「…おい亮、ってあんな強かったのか?」



「知らねー…でもそうみたいだな」



っていつも出来るだけ長く打ちたいからって、それなりに打ち易い場所にしか返してこないもんな〜」



、やるやん。あの跡部の球をちゃんと捕らえてる、強いっちゅうか上手いっちゅう感じやな」










勝つことを前提に打つって事はアレだ、打ちにくい場所に打ち返す事が基本だ




つーか相手が打てない球(技みたいなの)を打てない私にはそれしかない




悪いが、ヤツらの球を打ち易そうな所に打つ事も、微妙に難しい位置に打つ事も幾度だってやってきた私だ




コントロールは悪くはないよ





「…よっ!」



「……またラインぎりぎりじゃねぇか、何だよお前…はっ!」



「何でもないよ、テニスが趣味なだけ…ッ!!」



「嘘つきやがれ…てめぇ!」



「嘘じゃないっつー…の!」





悉く彼の球を拾い続ける。球を打ち返す事しか出来ない代わりに、球を打ち返す事だけは大得意だ




例えそれがど素人の球であろうと、並外れた実力者の球であろうと、絶対に打ち返せる。それくらいの自信は持ち合わせてる




簡単に負けてやるような私ではない





「…アイツをうまい具合に試合好きにさせたら、これ以上ねぇ程のリーサルウェポンになるよな」



「でもまぁアイツは自由人なトコがいいんじゃね?部活入らねぇでぶらぶらしてる方がらしーぜ」



「あー…それもそうだな」













「ぜぇ……ぜぇ………も、むりだ。先3日間は動けない気がする。つか動けません」





試合が終わった瞬間、もう暗くなり始めた客席にワッと歓声が沸いた




まだいたのね…暇なのか皆





「お疲れさま〜〜!3-2まで持ち込むなんてスッゲェじゃん!!マジマジ感動だC〜ッ!!!超強ェのな!!!!」



「ありがとござんすー…でも強くないよ強くないからまじで、負けてるしね」



「謙遜しなや、あの跡部相手にあれだけやれる女子なんてそうそういてへんで?ちゅーか自分以外おらんで多分」



「おい跡部、気は済んだかよ」





少し不機嫌そうに亮が言った。まぁ亮としてはどれだけ跡部君が強かろうが、彼がトップになるのは頂けないんだろう





「ああ、もう充分だ。お前らの実力も分かった、このチームの実力も分かった。ついでにこの女のもな」



「そもそも俺たちが彼にそう言ったからな。こうまで強くちゃ、認めざるを得ない」



「そういう事だ」



「約束通り、今日から君が氷帝テニス部のトップだ。宜しく頼むよ」




意外と部長さんとかは受け入れ態勢だな…まぁチームが強くなるに越した事はないだろうけどね




…それに彼の寄付レベルを見るからに、テニス部が大改造劇的ビフォー●フターされる事はまず間違いないだろう




その辺ちょっとおいしいしね、うん





「ねぇねぇ、あなた!」



「へ」





変な方向に思考を飛ばしていると、岳人たちの後ろの観客席から声が聞こえた。呼ばれたのって私か?





「うん、あなたあなた!!ねぇ、女子テニス部に入らない!?あれだけ強かったら全国も夢じゃないわ!!!」



「(ぎょ、勧誘か…!!こういうとき困るのになぁ実力見せとくと…だからやりたくなかったんだよ…)や…それは」



何で!?あれだけの実力持ってるんだもの、きっと誰にも負けないわ!!体力を付ければ、もっと有利に試合を展開できるはずよ!?」





わぁぁ…この熱血っぷり…苦手なんだよこういうの……もういいんだって試合とか勝敗とか





「悪いがそれは出来ない相談だな」



「え?」



「はい?」





何故だか跡部君が拒否を示した。試合直後に呼んだ従者みたいな男の子(初等部)から受け取ったタオルで汗を拭いている




何だかそれだけでとっても優雅なのだけれど、どうして彼が私の入部如何に関わってくるのだろうか





「その女にはテニス部マネージャーになってもらう、だから女テニに入部するのは不可能だ」



「はいぃぃ!?」



「おい!?何だそれ!!何でがマネージャーなんだよ!!!つーか氷帝テニス部はマネージャーなんていねぇだろうが!!!」



には興味が湧いた。だからなるだけ近くに置いておく、当たり前の話だろ

それに今から俺がトップだ、テニス部のことは俺が決める。顧問の先生には俺が掛け合う、心配するな」





するよ、何勝手な事言ってんのこの人。そもそも誰がやるって言いました?言ってないよね一言たりとも





「跡部君、あの私マネージャーとかやる自信全然無いよ、テニスだけならまだしも…もっとやる気のある人にさせたら?」



「ああ?やる気の有無は関係ねぇ、お前は課せられた仕事は否応なくするだろうが

最初はそれでいい、その内自主性も芽生える。大体俺は気に入らねぇヤツを近くに置いておく程優しかねぇんだよ」



「……何で性格まで見破られて……アンタが優しくないのは分かるよ。あーでも…もー何で勝手に決めるのさー!!!!



「ふん。本当に飽きねぇな、お前は」





実に面白いと言った風に、彼は薄く笑った




面白くないってのー…!!この超絶俺様男がッ!!!!(私は間違ってもファンになんてならない)





〜〜〜ッ!!!勝手過ぎんだろ…跡部の野郎」



「何で〜?いたら絶対楽しいじゃん、俺らの顔馴染みがマネージャーやってくれるって逆にラッキーじゃね?」



「あー、あれか?宍戸、やったっけ…ての事好きなん?せやから妬いてんのんか?」



ば…っ!?おまッ!何言ってんだよ!適当な事言うんじゃねぇよ!!!



「マジかよ亮、意外だな」



だから違…ッ!!!岳人!お前までからかうんじゃねー!!!」





何楽しそうに話をしてるんだか…だから私はやるなんて一言も言ってないっつーの




も…いいけどね(これからの安寧のためにも跡部君には逆らうまい)





「あの…悪いね、君」



「(元部長さん…)いいえ」





この風雲少年が私達の前に現れた時から、私達(主に私)の人生は恐らく大きく動く事となった








後編へ…


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