いっつも人のこと馬鹿にしやがって









insight









「天才と〜呼ばれる所以〜♪」



「忍足アンタさっきから激ウザイ



「はぁ!?何でやねん!これごっつええ歌やと思えへんか!?」



「うん、手塚君とかが歌ったらミリオンセラー間違いないと思うよ」



俺やったら役不足か!?



分かってるならいちいち訊くな☆



「忍足、うるせぇのは確かだぞ…もな」



「ほれみぃかて五月蝿い言われてるやんか」



「アンタがその胸クソ悪い歌を歌わなかったら黙ってられたのよ」



(胸クソ…!)





そんな感じで




私達は今放課後の教室にいます




理由は




明日の英単語小テスト追試の為の勉強会




受けるのは忍足と私だけなんだけどね




跡部は面白がって一緒に居るみたい




教えてもくれないくせに…





「せやかて俺こんだけ勉強したら余裕で合格やで?」



じゃあ邪魔。帰れ



「嘘や嘘…そこでツッコミを期待しててんけどなぁ…今日ノリ悪いで」



「私まだ25個しか単語覚えてなくてイラついてるのよ…自分の覚えの悪さにね…(涙)


明日のテストが終わったらいつもの如く元気いっぱいおっしーと漫才を繰り広げる笑いの女王として


復活(リボーン)するから安心して。まだコンビは解消しないから」



「それやったら安心や」



「いいから勉強しやがれ…、範囲はどれだけか分かってんだろうな?」



「範囲となる英単語は150個ですよね…ハイ」



「そうだな。で、お前いくつ覚えたって?」



25個



アホか



…うぃ…!(そんな睨まなくても…)」



「でも真面目な話それやと危ないんちゃうん?出題されんのは30やし合格点は25やで?


どこぞの学校の奴くらい運良ぉないと合格出来へんやんか」



「分かってるってば畜生!これでも頑張ってるんだよ!でも私の頭が覚えてくれないんだもん〜!!」





跡部は教えてくれないし




忍足は勉強すれば出来るくせにやらないだけだからこんなテストへへへのかっぱだもんね




家で勉強する気起こらないから学校で居残ってやってたのに…




これじゃ意味が無い





「私そろそろ帰る…じゃね、二人とも」



「ほな送って行こか?…っとやっぱ止めとくわ…」



「はぁ?何よ意味分かんないなぁ…別にいいけどさ」



「俺様の家に来い」



「うん、そう今から図書館に行こうと思ってさぁ…ってええぇぇ!!!??



「覚えの悪いテメェの為に勉強部屋を提供してやるっつってんだろ。デカイ声出すな」



「いいし!自分の部屋くらいあるし!っつか時間遅いし!!」



「お前の部屋はゲームだの漫画だの勉強に関係ないモンが多そうだろうが」



「なにっ!(くっ!悔しいくらいに大当たりだわ!)



「遅くてもいいだろ別に、泊まってけ」



「で!?泊まるですと!?何言っちゃってんの跡部…頭どうかした?



「跡部ぇ…それはちょっと下心ミエミエなんとちゃうん?」



「ざけんな、俺がコイツを襲って何の得があんだよ」



(女としてショックだなそれ)



「まぁに任せるけどな…大丈夫らしいで



「元々心配なんかしてないよ…跡部の頭以外は…



「あんだとコラ…来るのか、来ねぇのか!どっちだ!!」



喜んで行かせて頂きます〜☆





跡部とが出て行った後に教室に一人残った俺は溜息をついた





「跡部ごっつい怖い顔で睨みおって…周りから見たら丸分かりやっちゅーねん」





ええ加減見てんのもイライラするから




奥手な跡部に教えたってん




『据え膳食わぬは男の恥』て












「あ!跡部!insightだって!これ跡部の超面白い得意技だよね!」



超面白いは余計だ…黙って勉強しろ」



「ほいほい…」





しかし跡部の部屋ってやっぱ殺風景…




っつーかこの家広すぎ




リムジンに乗せられた時はもう天国への階段を5段飛ばしで駆け上がって行く感覚だったもんね(即死)




ベッドも思った通りの金持ち仕様…庶民には理解の出来ないデザインだわ…(趣味悪いと思うのは庶民だからよね




集中なんて出来ないですよ




こんな暴れ甲斐のありそうな場所で…(え)





「しかし綴りが覚えられても意味が覚えられないんだよね〜…辛い…!」



「独り言は寂しいぞ



「自覚はしております…」





独り言じゃない




話しかけてるのに無視されたら残念なことに独り言になっちゃうのよ




ホントなら今頃家で寝転がりながらゲームして仲間一人増やしてたのに…(RPG)





「ふぅぅう…」





頭痛い…もういっそ不合格でもいいから早く自由になりたい(こら)





「…やっぱり今からでも教えてくれそうな人のトコに行こうかなぁ…」



「あぁ?そんな奴いんのかよ」



「ん〜…ウチの近所に青学の大石君がいるのよね…頼めば教えてくれそうじゃない」



「………ちっ、分かった教えてやるからちょっとこっちに来い」



「え!ホントに!?ラッキー☆」





不機嫌そうな顔してるけど一応教えてくれる気はあったのね!




でもあの跡部が単語を覚えるのにいい方法なんて考え付くのかな…(不安だ)





「範囲はここからだな?」



「うん」



「まず俺の言葉をよく聞けよ。出題されそうな単語をピックアップする。それを確実に覚えろ」



「分かった」



「絶対に何も喋るな。ただ俺の言葉を頭に刻み込め」



「…はい」



「まず、『abroad』は外国に、外国への意味だな…『Atlantic』は大西洋『beg』は頼む、乞う


『believe』は信じる、思う。コレは覚えとけよ。…、俺を信じろ」



「…はい?」



「喋るなっつってんだろ。俺はお前が好きだ。『branch』は枝、支店の意味『calm』は静める、静まる」



「………??」



「『cheerful』陽気な、快活な。お前のそういうところが好きだ。『clever』利口な、上手なって意味だ」



「……////」





意味が分からないんですが




そんな気を余所に跡部は延々と単語の途中に私への言葉を入れて喋る




これは




単語を覚えさせる手段なのか




それとも














「『handsome』顔立ちの美しい、立派な。俺様のことだと覚えとけ。…こんなもんか…、最後だ」



「うん?」



「In this way, it is fortunate that it is together. You are a very darling person.


Please be together from now on.  …I love you…」



「…あと…べ?(最後の言葉しか分かんなかったんだけど)」



「うるさくて馬鹿で間抜けで不細工なお前だけどな」



失礼にも程があると思うよ(否定はしないけどね)」



「You are the most important in the world.」



「だからさっきから何を言ってるのかさっぱり…」





いや待てよ




ギリギリ習ってる単語だった気もする




youは貴方…the most importantは最も大切…in the worldは世界中で……?




っておいおいおいおいおい




そんなまさかまさかまさかまさ樺地!!?(混乱)





「俺様の愛の囁き、一字一句聞き逃してねぇよなぁ?」





そりゃあ覚えてるよ




すっごくドキドキしながら聴いてたんだよ?跡部の言葉




耳に入ってくる心地良い低音の声と




もしかしたらっていう気持ちが相俟って




一言も聞き逃してない




忘れてもいない





「き…聞き逃してないよ」



「ふん、なら明日は合格間違いねぇな」



「…あ、ありがとう」



「何に対して…だ?」



「おおお教えてくれた事と…っそそそそその…



「…くっ…どもんなよ…ったくもういい……好きだぜ





笑いながら私の頭を自分の胸に引き寄せた




もう駄目だ




認めちゃうよ私




跡部が好きだった事




って言ったら




知ってたよ馬ァ鹿




だって













つまり跡部お得意の





insightでバレてたって事ね
















次の日の昼休み




いつもの様に忍足と跡部とご飯を食べようとしたら




忍足はお赤飯のお握りを私達に渡してきた




跡部は真っ赤になって忍足を怒鳴りつけてたけど




こんなの渡されるのはまだまだ先だと思う




あんな大胆な台詞吐いといて




夜寝る時は部屋の端に布団敷いてた跡部だもん(私はベッドで寝かせてもらったけどね)




っつーか忍足




このお赤飯しょっぱいよ












放課後のテストは無事合格した




点数は30点(満点!お母さん私初めて満点取ったよ!!




跡部の言った単語が全て出てきたから




一人百面相をしながらペンを走らせた




忍足が心底不思議がって何があったのか訊いて来たけど




アイツは不合格になったからいい気味だわ(24点だって!激ダッサ!)














奥手な跡部だけど




今はとりあえずバカップル珍道中

















*****後書け*****

終わり方意味不明なうえ跡部じゃないかもしれない…(いつものこと)

奥手な跡部が好きです。希望です

跡部夢=忍足・忍足夢=跡部がしゃしゃり出てきます(仲良いといいと思う)

忍足は結局可哀想なキャラなんだと思います

ついでに跡部が最初に言った英語の意味は(多分合ってるハズ)


『こうして貴女と一緒にいる事が幸せです 貴女はとても愛しい人です

これからも一緒に居て下さい 私は貴女を愛しています』(ニセモノ警報爆発)


ちなみに半分実話です

当然この凄まじい範囲の単語テストがですが(笑)


05/03/12
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