一年に一度の日なわけだよ










HAPPY BIRTHDAY 〜KEIGO ATOBE〜










いくら日頃こき使われてるとはいえやはりしなくてはいけないのだろう




お祝いくらいは




っつかうん、好きだし。まず基本的な理由があるし




そうか…ヤツももう15になるのか…ってことはアレだよね、大人への階段を一歩上がるんだよね




薬飲むときも服用量が変わるんだよ15歳といえば




栄養ドリンクだって一本飲んでも大丈夫なんだよね




…なんでこんな不健康人間みたいなことしか出てこないんだろう




とにかくもプレゼントがいるね、何にしよう




ん?ちょっと待て。跡部ん家って金持ちだよな?




あぁそうだやばいくらいの金持ちだった、そりゃもう子供にア●ックスのカード持たせるくらいのね




……………欲しいモンとかあるの?




…あれおっかしいなぁ一つも出てこないよ跡部が欲しがりそうなもの




いいや待て落ち着け、ようは気持ちの問題だ。いくら冷血漢な跡部でも心のこもった物なら断りにくいはずだ(多分)




しかし明日じゃあ手編みのなんたらってわけにも行かないな




だいたいそれってクリスマスの定番だよね、時期的にもどうかだし




…不器用だし!(重要)




じゃあ何か?植物とか?あぁそりゃ命あるものだから捨てなさそう




…その前に受け取ってくれなさそう(突き返されるきっと)




今までの思い出   プライスレス




何考えてんだろう私、跡部はそういうものを大切にしそうか?いや別に




無難に何か買いに行こうかな、んでそれに適当な手作りのお菓子とかつけるの




…それでいいね!よっしゃ、じゃあそれに収めとくとするか!
















結局昨日はペンダントを買ってクッキーを焼いてプレゼントにすることに決めた




いい感じに焼けたし良かった良かった




後は渡すだけ、なんだけれども




朝学校にきてみりゃコレよ




下駄箱で既に壮絶な量のプレゼント




………あのゴミ箱に入ってる分はもう見ない振りしておこう




乙女は嫉妬が絡むと恐ろしく怖くなるからね、非常な行動にも出たりするのだよ





「あーん?何だこりゃあ」



「うおっ、跡部おはようとか言いやがれよ!びびったじゃん!」



「……今日は何の謝肉祭だ」



何で謝肉祭になるんだよ。あ〜…ホラ、きっとアレだよ、跡部の誕生日だからでしょ?」



「俺様の誕生日…?あぁ…そうか、確かにそうだったな」





言いながらプレゼントをばさばさと下に落として上靴を発掘する跡部




…そんな粗末に扱わなくても…(良かった入れてなくて)




ゴミ箱の分も黙っておくか





「…こんなに持ち帰れるかっつーんだよ…、紙袋持ってるか?」



「持ってるよ〜(多分そういうと思って)でも足りないね」



「どういうことだ」



「教室でも貰うに決まってるじゃない、帰るまでに一体いくつ貰うのか見ものだね」



「仕方ねぇ…帰りは車でも呼ぶか…それまで管理はお前がしとけよ」



「げっ!何で私!?っていうかそんな人様のプレゼント目の前にしてたって面白くもなんともないし…!」



「しとけよ」



「…へい」





仕方なくプレゼントを紙袋に入れていく。ヒドイ…誕生日くらい優しくなったっていいじゃないか




教室に着いたら即いっぱいになるであろう紙袋を持ってのたのたと歩き始めた




まぁ今思うに多分コレを見られてたんだろうなぁ




跡部を慕ってる誰か(複数でも可)にさ














〜、何してんの?今日も跡部に奴隷として扱われてんの?」



「おはよう、その紙袋何?



忍足うっさい。今日は跡部の誕生日だから…ね、滝」



「なるほど…じゃあ仕事が増えて大変かもね…ほら見てよ」



「へ」





振り返って跡部の机を見ると思わず卒倒しそうな




プレゼントの量




て…てんこ盛りってどういうこっちゃよ!




んで跡部はこっち睨まないの!別に私悪くないし!!あぁそうですか入れろってことですかはいはい喜んで!




跡部の席に乗っかっている荷物をさっさと紙袋の中に入れる




しっかし高級そうなものから手作り感満載なものまでバラエティー豊富だね




これじゃあ私のプレゼントなんて霞むどころか…!!




ええい気にしない!どうせ放課後また話す機会はあるんだからもう気にしない!




全部貰った後でちょこっと変に質素なプレゼント貰ったってまぁいいだろう!!





、大丈夫?」



「へーき、重さは大してないから」



「なんやったら俺が何か貰たろか」



「跡部へのプレゼント貰う気?祟りでも起こんじゃないの?」



「…それもそやな…やめとこ」





机の横に紙袋を吊り下げて項垂れた




今日は死ぬほど忙しくなりそうじゃないか…っていうか入りきらなくなったらどうすれば良いんだろう




まぁいいけどね…これも仲の良い人間の特権だし…うんうん




そうだね、物事良い方向に考えてなきゃ!よーし放課後まで頑張るぞ〜








と、意気込んでたのに




こんな微妙な時期にまさか氷帝生3年間の中の最大級のハプニングが起ころうとはね








体育が終わって更衣室に戻りため息を吐く




だって今4限目なのにもうすでに紙袋5つ目だよ?わざわざテニス部レギュラーに借りちゃったよ紙袋




っていうか滝は何であんなに紙袋持ってんの?(お母さんだから?)




…次昼休みだと思うと気が重くて重くて…どれだけ増えるのやら




まぁいいや、気を取り直して学食で何か食べるとするか




制服を着ようと持ち上げた




っておい




何だよこれは





「っ!!!何よその制服!!!」



「わ…分かんない…何だろう」



「ちょ…信じられない!誰か〜、の制服こんなにした人見てない!?」



「うわ何それっ!嫌がらせ!?大丈夫?針とか仕込まれてなかった!?」



「うん(流石にそこまでは)





一瞬にして更衣室が妙な雰囲気になる




私はというと意外と冷静にカッターで破られたであろう制服を眺める




…着れたもんじゃない




どうすんだよ…っていうか母さんに何と言えば良いのやら(苛められても制服だけは死守しろと常々言われてたのに)




何だってこんな陰湿なイジメを受けなきゃならないんだ




身に覚えはな…なきにしもあらずだけど!!




しょげるなぁ………










仕方がないのでジャージのまま学食に出向いた、目立ったっていいもん仕方ないんだもん





「…何で着替えてへんの…自分…そんなに席取りたかったん?」



「違う…」



「はい、の席取っておいたよ。今日は日替わりAセットが旬モノで美味しそうだけどどうする?」



「じゃあそれ一緒にお願いしてもいい…?あ、財布忘れたし」



「僕が出すよ、それより何があったか言ってくれない?」



「…制服ビリビリにされてた…もう着られないからジャージで代用」



「「「「「「「ええええっ!!!?」」」」」」」





特に反応を示さなかった跡部がしばらくして口を開いた





「……何かやったのかよ…



「しっつれいなことを言うね跡部はっ!私が何かやるよーな人間に見える!?」



「俺には見えるぜ」



「宍戸さん!俺は何もしてないと思ってますよ、さん」



「ありがとう鳳、マイ心のオアシス!そしてムカつく反応をした他の奴等は私自ら黄泉の国へと誘います



「っていうかマジ大丈夫なのか?お前自身にはまだ何も被害無いわけ?」



「うんないない、だから大丈夫だとは思ってるんだけど…ねぇ」





それにしても制服だよ制服




高いでしょう、ズバリ母さんに怒られるでしょう!(ま●お君)





「…お金がやばい」



「ならもっとやばそうな顔をしろやばそうな。アホ面で言うな



「制服なんざ俺様が新しいモン用意してやる、てめぇのような貧乏にはキツイ出費だろうからな」



「あーありがたやありがたやまっことありがとうございます跡部様!!」





ちっくしょう否定できない自分が悲しいぜ!っていうか今のこの状況が悲しいぜ!!




ホントツイてないなぁ…




いや、これだけで終わりゃ苦労はしなかったのに












…私何かしましたか









放課後跡部にまかされた荷物を眺めて教室に居残っている自分(ジャージ着用)に盛大なため息を吐く




ちなみに紙袋の数はなんと15以上にも及びました




私は何故だかプレゼントがみっちり入った紙袋に囲まれ激烈なモテ男の気分を体験している真っ最中です




うん、嬉しくも何とも




おなか減ったよう…きっとお菓子とか入れた人いるんだろうなぁ…(イイ匂い)一個くらい食べてもバレないよなぁ…




こらこら人の好意を無にする好意はしちゃ駄目だよ私!(たとえ恋敵でも!)




…あ、そうだ私跡部にクッキー焼いて来てんじゃん。アレ一つ食おう、一個くらい減っても大丈夫!(ひでぇ)




紙袋を倒さないようにして自分の鞄を弄った。クッキークッキー…と




………………あれ?




嫌な汗が頬を伝って思わず鞄の口を開けて引っ繰り返した




………ない………っ




何度揺すっても塵しか出てこない。底敷を外してまた揺する、何も出ない…あ、探してたプリクラ出た




おかしいっ!ちゃんと朝来たときにも確認してたのに!!




……もしや制服事件と連動してたりするのか?




つまりどこかに捨てられた…とか…ハッ!待て待て紙袋に紛れ込んでるのかも…そうだ疑うのはそれからだね




まずはそう!紙袋を調べ………て




…このおびただしい量の紙袋の中からさらにちっこい私のプレゼントを探し…て…




…楽な作業ではないネッ☆




とにかく千里の道も一歩から…手近なこれから調べていこう








結局全部引っ繰り返して調べたのに出てこなかった…制服事件の犯人さんへの疑いは晴れなかった




こりゃあ妬みの線が強いな……




そしてゴメンねマドレーヌ作った人。食べちゃいました




本当スンマセン食欲魔人の私に目をつけられたのが運のつきだと思っといて下さい、跡部には言いますちゃんと




だってあんまり綺麗に作れてるから…つい!




それよりも(こら)どうしよう…アレがないと今日プレゼント渡せない…よ




まぁ小雨も降ってきたしもうしばらくしたら帰ってくるだろう(ラッキー、あ、でも傘持ってない)




だから、ね。きっともうこれ管理しとく必要ないから




約束守れないのは…ちょっとアレだけどさ




私の気持ちもね。せめて少しは…伝えなきゃだし!!




ごめんねー見つかったら戻ってくるからね〜跡部ー




そう呟きながら薄暗くなった教室を後にした











色んな場所走り回って疲れたよ…校内と目に付くゴミ箱は調べたから…後は外か




吹き曝しの渡り廊下に出て走ると暗い中に青いものが視界の端に写る




今の




足を止めて渡り廊下の屋根から出て植木の傍に寄る




やっぱり…渡そうとしてたペンダント…の包装紙だ




なんてこったい!中身入ってねぇじゃんよ!!ひでぇ恨むよ犯人!




…探さなきゃ…!!




辺りを見回してから裏庭に走った














「けっ…雨なんてツイてねーぜ…俺様の誕生日だってのに…」



「まぁまぁいいじゃない、誕生日だからこそ早く終わらせてあげようっていう神様の思し召しかもよ?」



ご苦労さーん。自分傘持ってんのか〜?……あれ」



「跡部…に待ってろって言ったんだよね…?」



…?」





教室を見ると




一つの机に幾つもの紙袋が寄りかかっていて




近付いてみると紙袋の中身は粗雑に入れられて




机の上には底敷を取り払った鞄が逆さに向けて置かれていた




これは




何かを…探してたのか?




外は雨




校内にいるのかよ




まさか外になんて…いねぇよな…





「忍足、滝。他のメンバー呼んで校内探してろ。俺は外に出る」



「ほな頼んだで」



「忍足、多分二年生まだ校内にいるから。僕呼んでくるよ」





頼むから




大人しくしてろよ















急いで外に出て周囲を確認する




運動場には…いねぇ




下駄箱には靴もあった…




俺様の考えすぎか…?この時期になれば雨に当たれば寒くないはずがないしな




だいたい日も落ちるのが早くなり始めたこの時期じゃ、今の時間外に出て探し物をするのは無謀だ




……………?




今何か…光ったような

















「さぶい〜っも〜っ!クソさみぃ〜っ」





ふと聞きなれた声に自分でも驚くほど反応する









やっと




見つけた





「何してんだよ、あーん?」



「あっ…あ…跡部…さま」



「教室で待ってろって言ったのが聞こえてなかったのかよ、貴様の愚鈍な耳は



「き…聞こえてましたとも…スンマセン」





泥まみれになって震えてびしょ濡れになって




そんなにまでして探したかったものって何だよ





「跡部、濡れちゃうから…は…早く入った方がいいよ」



「もうとっくに濡れてるってんだよバカ」





青白い唇で指傷だらけにして、お前をそこまで必死にさせてるものって何だよ




…悔しいだろーが





「ったく…何探してんだ一体…くだらねぇ…早く戻れ。てめぇが風邪ひくぞ」



「くだらなくなんか…ないの。跡部…の誕生日プレゼント…だからっ」



「………あぁん?」



「安物…だったけど…店で見たとき、これきっと跡部に似合うって…思って買ったペンダントだったから


跡部にどうしてもつけて欲しいって…思ったから…だから…探さないと……っ


クッキーは…もう濡れて駄目になっちゃったけど…ペンダントくらいなら…濡れても平気だろうから…」





そう言いながら草むらを掻き分ける事を止めない




それ




喜んで……いいのか




くそ、顔が赤くなりやがる…どうせならこの熱はお前が持って欲しいモンなのに





、これのことじゃねぇのか」



「え……あーっ!そうそれっ!!よかったー…あったんだぁ……」



「バカが…こんなもん貰ったってお前が風邪引いちゃ意味ねぇだろーが」



「いいの!私は自分の体調なんかよりそれを跡部に渡したかったの!!」





思わず笑ってしまった




嬉しい




ペンダントよりもお前の気持ちが




不適に笑みを湛えながらの手からラッピングされたのも無駄になったクッキーを奪い取る




もう形すら曖昧になって食える代物じゃない









乱暴にラッピングを剥ぎ取って一つ口にほおばる




見た目より味が大事とはよく言ったもんだ





「少し水っぽいがイケるな」



「っ!水っぽいのは当然だってば濡れてんだから!止めてそんなの食べたらおなか壊しちゃうよ!!」





を無視しながら手に持っていた泥のついたペンダントを着けて向き直った





「…泥流せばいいのに…でもやっぱ似合ってるね」



「俺様はどんなモンでも似合うんだよ…特に好きな女からの贈り物はな」





そう言って腕に閉じ込めて唇を奪う




俺の熱がお前に伝わればいい




これからはもっと熱くしてやるぜ、





「とりあえず今日は俺様の家だな」



「何でっ!?家に帰してくれるんじゃ…」



「制服破ってジャージびしょ濡れにして家に帰れんのかお前は、あーん?」



「……無理です」



「迎えの車で俺の家に行く、覚悟できてんだろうな。



「覚悟ってなに!?」



「体あっためるにはこれ以上ねぇくらい良い方法だろ。ついでに当然泊まりだからな」



「ぎゃ!勝手に話を進めないでっ!それに…は…恥ずかしいし……ミもフタもない」





顔を紅潮させて俯いた




やっと血色良くなったな





「………んな事言ってるとココで襲っちまうぞてめぇ」



「げっ!?」



「うわー!跡部が襲おうとしてるー!皆ー!見つけたでー!!」



「………ちっ」





頼まなきゃ良かったぜ




っつか何で外来んだよ…今からいいトコだったのに(本当に襲おうかと思ってたのに)




まぁいい




幾千幾万のプレゼントよりも




お前を手に入れた事の方が嬉しいんだ





「誕生日おめでとー、跡部」



「ありがとよ」





愛してる

















後日二人は風邪引いて仲良く休んでたそうな




さらに一人の女子生徒が一週間ほど学校を休んだのも補足




それには二年生のキリスト信者やらが絡んでいるともっぱらの噂らしい













*****あとがけ*****

うっわぁお久しぶりです〜、夢自体はちょこちょこ書いてたんですが更新するのは実に一ヶ月以上振りです驚き

書き方って忘れるモンですね!(笑顔)

これからもうテストが近いのが難ですが…いやもう部活辞めましたしね…届けはしてないですけど

演劇も終わったし脚本も終わったし徐々に復活したいと思ってます(少なくとも今までのように更新停止したりしない)

夢書けるって楽しい〜…つくづく思いました。うはぁ萌えシチュ考えるのが一番楽しいのです!

素敵な友達の助言で赤也は祝うことにしました。やっぱやんなきゃね!

最後になったけど遅くなってゴメンね跡部。そして手塚書いてなくてごめん

これからは復活しますのでまたよろしくお願いします〜


05/10/10
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