何で私あんな事言っちゃったんだろう




今になって後悔しても仕方ないけど










勘違いLOVEGAME














…そんな落ち込まんかったってええやんか」



「そうだぜ、大体先に言ったのはお前…」



「黙れお前らマジで殺すぞ」



「「……スイマセンでした」」



「ああそうかアンタ等はアレか、私があいつに散々こき使われてるの見て楽しんでるんだな、この超ド級S共め」



「アホ!Sちゃうわ!俺はどっちか言うたらえm「忍足お前クラスの奴らから白い目で見られんぞそのうち」



「いや宍戸もう遅いって」



!」



「それもそうか」



「宍戸!!?」





私が後悔してるのは『…私の言葉で彼のこと傷つけちゃったかもしれない…』とかいうそんな生易しい事じゃない




ただ一つ、跡部との対決だ




しかもその原因が腹が立つほどささいだったから余計にムカつく




私がなまじ喧嘩っ早い体質だから起こった悲劇





、今度はコレだ、早く職員室行って置いて来い」






ちっ…元凶のお出ましだ……いや多少は私にも原因はあるんだけど




思い出すだけでも頭が痛くなるってモンだよ













跡部ーー!!お前今卵焼きを馬鹿にしたな!?いやしたね絶対したね!私はしかと聞きましたよー!!』



『馬鹿かお前、俺は別に卵焼きを馬鹿にはしてねぇ、ダシ巻き卵以外の卵焼きを見下したまでだ



それが馬鹿にしてるって言ってんだよ!何だよ卵焼きが甘けりゃ悪いのか!?おお!!?』



『お前考えてもみろよ、甘い物と一緒に白ご飯が食えるか?無理だろ絶対』



『うっわ食わず嫌い発言ですか!しかも何その微妙な庶民的意見、アンタ卵焼きを白飯と一緒に食べたりするわけ?』



『はっ…上に立つものは下の意見を知れってな。しかし砂糖の入ったモンはおかずとしては食えねぇ』



『…下…ですと?じゃあ喰えよ、実践しろよ。ほれほれ庶民の伝統的日本料理ですよ』



『って近づけんな!食えるかこんな甘ったるい匂いがするモン!だいたい何が伝統的日本料理だ、オードブルとデザートが付かねぇ食事は食事なんかじゃねぇ!!』



『っかー!ムカつく!甘い卵焼き&和の心を馬鹿にしたな!……卵焼きを馬鹿にする者は卵焼きに泣く…


勝負だ跡部!クラスの多数決でダシか砂糖どっちが人気か決めてやるぁ!もし私が負けたら奴隷でも何でもやってやる!


その代わり私が勝ったら絶対に食べてもらうからね!!』



『げぇ!?ホンマかいな!』



『バカ止めとけって!っつかお前もうちょいフェアな条件にしろよ!勝ってもあんま特しないどころか負けたら大損だぞ!?』



『ほぅ…面白れぇじゃねーか。やってやるぜ』










胸くそ悪いなぁ本当(口悪)




そうだよ他の方法にすれば勝ててたかもしれないのに




忘れてたんだ、頭に血が上って




クラスの女子は全員跡部の味方だと言う事を




マイフレンドでさえ「悪く思わないでねー☆」とか言ってダシに一票入れやがった(…いいじゃないか一票くらい)




何だよこの間「私卵焼きは断然砂糖派ね!美味しいもん」とか言ってたのは何処の誰だよオイ




そうですよそれで負けたんですよ、ええもういっそ潔く身投げでもしてしまおうかという圧倒的差で




はいそうですよ私が悪ぅございましたよ




でももっと腹が立つのは






私がそんなアイツを好きだという事実




















「先生、跡部さんからの書類です」



「おお、いつもご苦労だな。何か最近やけに働いてるじゃないか、いっそ生徒会に入ったらどうだ?大歓迎だぞ」



「はっはっは、誰があんなのと一緒にやりますか。そんなことするくらいなら死にますね私



「…そ…そうか。色々と大変みたいだが頑張れよ」



「労いのお言葉ありがとうございます…じゃあ失礼しますね」





一礼して職員室を後にする




最近は放課後職員室に来るのが日課となってしまっていた




かなしい真実だけど慣れちゃったんだよねホント




ええいもう奴隷にされて一週間は経つのに一向に終わらせてくれる兆しは無い




何だ?そんなにアイツは手一杯なのか?それともかなりのSなのか?そこまで私が気に入らないのか?




とにかく次はテニス部へお供していってマネージャーもどきの仕事をやらなければならない




そんなに大変なら最初からマネ募集しやがれってんだ




一人で悪態をつきながら教室に戻るとテニス部員(跡部・忍足・宍戸)の話し声が聞こえてきた




もうあの三人しか残っていないと見える…静かだし




……今もしかして入っちゃいけない雰囲気?




テニス部の大事な話かもしれないので部員でない私は念のため足を止める




しかし結構近くまで来ていたので話が所々飛んで聞こえてきた





「……そやったら跡部もラクやねんけどなぁ?ええねんで俺がもらったっても」



「馬鹿なこと抜かすな…ったく…アイツが日吉みたいなヤツだったら簡単なのにな」



「うっわー跡部お前めちゃめちゃ気合い入ってるやん…に日吉を求めんのは無理な話やで」



「そりゃそうだろーよ…もうちょっと別の事考えたらどうだ?そんな変なことにこだわってないで」



「うるせぇ…俺だって色々考えてんだよ」





何ですと?




今確かに私の名前が出ましたね?出ましたよ聞きましたよ




しかももっと恐ろしい事が聞こえてきた




私が日吉君みたいだといいのにだって?




あまりの驚きに冷や汗が流れた




……跡部…私アンタがそういう趣味だとは知らなかったよ




じゃあアレね、四六時中一緒にいる私は大好きな日吉君のような性格であれば多少は気がまぎれると




しかし私を苛める事を止める気は無いと




そういうことなの?




頭の中に初めて妥協という言葉がよぎった




いや流石に男相手なら勝ち目は無いわ、ましてや男の中でもかなり男の子っぽい日吉君だし




押し寄せる衝撃の波に私の視線はいつの間にか明後日の方を向いていた



















その日の部活はいつも以上に忙しくて深く考えてる暇は無かったけど




とりあえずひとつの答えは出た




やれるトコまでやってやろうじゃないか




私がどれだけ日吉君に近付けるかは分からないけどやらないよりはマシだろう




これほどまでに負けん気が強いと妥協と言う言葉は一気に吹っ飛んでしまうってモンよ




さてさてその第一歩は勿論





「日吉く〜ん、ちょっといいかな〜?」





本人を知ること





「あ、日吉!先輩だよ!でもあんまり長く喋ってるとむがっ!





何故だか鳳君の口を押さえて小突く日吉君




邪魔だったのだろうか




いや確かに帰り道にいきなり声かけたのはまずかったかな、今から帰るところなワケだし





「何ですか?先輩」



「いや…その…折り入ってお願いがあるんだけど…いい?」



「何でしょう」



「……日吉君の事を知りたいなぁと思って…」





そう言った瞬間日吉君と鳳君、ましてや一緒にいた樺地君までもが固まった




…この言い方には語弊があったかもしれない





「あ…えっと…変な意味じゃなくて、ちょっと知りたいだけだから」



「はぁ…理由は聞かないほうがいいんですかね?」



「う〜ん…聞かれて嫌な事はないけど、大した事じゃないんだよ」



「別にいいですけど…じゃあ一緒に帰りますか?」



「おーっしやったぁ!ありがとう!よっしゃココはお礼として先輩が何か奢っちゃるよ!ほら鳳君も樺地君も!!」



「え!?俺達もいいんですか?」



「おうともよ!練習で疲れてるだろうからね!さあ行こう行こう!!」





これでとりあえずは一安心だ!明日からはターボかけて頑張るか!




と言うわけで帰りにファーストフードによって色々と話した




跡部が私の事苛めたくなくなるほどに日吉君に近づくのは無理だとしてもまぁやらないよりマシなはず




しかしこの出費は痛かった…(流石成長期の男の子ね…)


















、購買行って焼きそばパン買って来い」



「あーほんなら俺もカツサンド頼んでもええ?」



「俺はチーズサンド頼むな」





いつものように俺がパシリを頼むと忍足と宍戸が冗談交じりに便乗してきた




おいおい…んな事言ってたら怒られんぜ





「お安い御用ですともv」





固まった




俺達が




何だと?あの文句の一つも言わずに承諾した?




有り得ねぇ





「じゃあ行って来るから待っててね〜」





嫌な汗が流れた




どうしたってんだよ










『日吉君の性格報告書その1 真面目である』




「これでとりあえず一つ目はクリアーね」





走りながらご機嫌に呟いた














、この問題が解けたら今日は何も命令しねぇよ」





と言いながらプリントを渡す




これもからかう方法の一つ、何せ高校レベルの数学問題だ




出来ない出来ないっつって叫ぶ姿が目に浮かぶぜ




薄く笑いつつ見守る事にした









…ええ加減諦めたらどないや」



「無理だろ完璧」



「いやいやいやもうちょっと頑張れば出来るかも知れないでしょ」






渡してから2時間が経った




授業中もプリントとにらめっこして諦めようとしない




俺はお前をからかおうと渡しただけであって別にそこまで一生懸命にさせようとはしてねぇぞ








『日吉君の性格報告書その2 努力家である』




「(これで二つ目もクリアー…っと…それにしても本当に頭イタイ…)」





自分の中の何かを犠牲にしつつも着々と目的を果たしていく













その他諸々出来ることは全てした、うん




これでまぁ少なくとも一歩くらいは近づいただろう




今日も話を聞きに放課後日吉君の元へと急ぐ




テニス部の練習休みだし、なにしろ跡部も見つからないから別にいいだろう。たまには好きな事しても





「日吉くーん!今日もレクチャーお願い申し上げるー!!」



先輩、どうぞどうぞこっちです」



「ありがとう鳳君、さて今日も日吉君に色々教えて貰わなきゃね!」



「…先輩、別に君付けしなくても良いんですよ?」



「…え?呼び捨てでいいってこと?私テニス部じゃないのに?」



「はい、それにもうテニス部も同然じゃないですか。何か他人行儀な感じもしますし」



「俺のことも君付けしなくて良いですよ先輩」



「……うーん…よし!日吉!鳳!お願いします!!」



「…わかりました」














「くそ…見つからねぇ…アイツ何処行きやがった」





校内にいる事だけ確認し、の姿を探して校内を歩いていると聞きなれた声が聞こえてきた




…日吉…と鳳か、何喋ってるんだ?




部活は休みなのに校内に残っている事に違和感を感じ近付いて行く




その時





「なるほどねー…そんなモンなのかなぁ?いやいや参考になったよ」



「それにしてもそんなに日吉の事知りたがって一体何する気なんです?」



「別にどうでもいいんだよ、鳳。俺達とこうやって話して打ち解けてくれてるだけでも良い事だろ」



「それもそうだな、先輩が声かけてくれなかったらいつまでも距離置いたままだったかもしれないし」





一瞬頭が真っ白になった




日吉の事知りたがってるって…どういうことだよ




お前が今日異常に機嫌がよかったのはそのせいなのか?






恋でもしたってのかよ



















日吉や鳳と(別の事も色々)話し終えて教室に戻ると跡部が居た




あ…やばい怒ってる…当然といえば当然か…もう5時過ぎだし





「あ……跡部?ゴメン…跡部見つからなかったから…」



「二年のあいつらと楽しくお喋りしてたってわけか?あーん?」





ぎゃあ聞いてたのか




何て意地の悪いヤツ…言えよその時に





「スイマセンでした…」





頭を下げてもだんまりを続ける跡部




っていうか何でそんなに怒るの…





「もういい、奴隷はやめだ。とっとと帰れ」





言われた瞬間




切れた





あんですって!?さっきから黙って聞いてりゃ好き勝手抜かしちゃってさ!何なのよ私だってたまにはちょっと抜け出して飛んでみたくなるっつの!


あーそうですかそんなに可愛い日吉と喋ってるのが気に入らなかったんですか謝りますよスイマセンでしたー!!


そもそも跡部が日吉を好きだって分かったから少しでも近くに居てイヤじゃないように頑張って日吉に話聞いてたのにバカじゃん私!もう!!」



「はぁっ!?お前何言って………!!?





怒鳴りながら涙が出てきた




くっそう説得力に欠けるじゃないか!




ええい最後だ言ってやれ!!!





「このバカ!下克上だ!!!」





言って走り去ろうとしたら手首に痛み




胸に圧迫感




っつか




抱き締められている





「……バカはどっちだよ、何で俺様が日吉なんかを好きじゃなきゃなんねぇんだ」



「…昨日言ってたもん…忍足と宍戸と……」



「って聞いて…!?ったく勘違いも甚だしいな…そういう意味じゃねぇ」



「うう…っ…私が日吉みたいだったらイイって言ったから…」



「泣くな……俺が悪かった」



「……っていうかこの状況…もういいよ泣かないから」



「…やっぱ分かってねぇだろ、お前が日吉みたいなのだったらイイって言ったわけはな…」





とそのまま私の耳に口を近づけて囁くように言った





「…お前のモノになれるなら俺は奴隷にでも何でもなってやるよ」





思わず赤面した




そんな低(エロい)声で言われたら頭おかしくなりそうだし





「ただこれが言いたかっただけなんだよ」





なるほど




私が奴隷だったから『下克上』をして欲しかったワケだ




そうしたらその言葉が言えるから





「好きだ」



「…私は愛してます」





そういってやると顔を真っ赤にして俺もだって笑った




人を見下して笑ってる顔なんかよりずっと格好良いよ



















「なんや二人ともうまいこといったんか、良かったやん、跡部」



「ありがとー」



「これでやっと俺らも跡部の相談にのらなくて済むな」



「あーん?忍足、の名前を呼んで良いのは俺様だけだ。呼ぶな、腐る



「いーやっ!ヒドイやっちゃなぁ…別にええやんか……しかも腐るて



…それ例の卵焼きか?」





皆とお昼を食べていると忍足と言い合っていた跡部が私のお弁当を見て言う





「…あ?匂い気に入らない?ゴメン」





甘いとか言われると困るからぱくっと食べて消化しようとすると





「…約束だったな、お前が勝ったら……」





私に口付けて器用に卵焼きを奪ってふふんと鼻を鳴らした





「…まぁ甘いのも悪かねぇかもな」



「あっ……跡部ぇ///!!」



「…ホンマ嫌なるわ、お前らが一番甘いっちゅーねん……ごちそーさん」



「忍足、とっとと食っちまおうぜ」



「せやな」
















…日吉大丈夫?



「…はぁ…はぁ…はぁ………鳳…お前の言う通りだったな





その後正式なマネージャーになった私だが日吉のメニューが異常に増えてて驚いた




鳳に聞くところによると、跡部が日吉に強化メニューを渡したからだとか




………まさかねぇ?

















私が初めて日吉に話を聞きに行った時鳳が言おうとした言葉は





「でもあんまり長く喋ってると跡部部長に見つかった時大変なんじゃないですか?」




だったらしい




……ゴメン日吉













******あとがき******

アンケで1位を勝ち取った跡部です。甘いですね、激甘ですね(きしょい)

10000HITありがとうございましたの記念夢です、フリー配布です(わぁいらない)

こちらへのリンクさえ貼って頂ければ背景入れたりして貰っても結構ですので

本当にありがとうございました!これからも宜しくお願いいたしますね!


05/04/27   神条 瑠理
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